さようなら歯

歯医者さんに行くたびに
「抜きましょうよ抜きましょうよ抜いたほうがいいですよ」
と勧められ続けていたのに
うやむやにしながら放置し続けていた上の親知らずを
昨年末からかかっている歯医者さんで
昨日とうとう抜きました。

下の親知らずは２本とも
他の歯を圧迫する形で横向きに生えていたので、
必要に迫られてずっと前に別の歯医者さんで抜いたのですが
その時に大変な酷い目にあったのです。
だから怖くて上はそのままでいいやと思っていたのでした。

上の親知らずは
下と違ってまっすぐすくすくと伸び
通常歯茎に埋もれている部分まで
表に出てきてしまうほどの健康な育ちっぷりで
そのまっすぐなところが裏目に出て
通常歯茎に埋もれている為にエナメル質に覆われていない部分までが
シャバの空気にさらされて
とうとう虫歯になってしまっていたのです。

「治療もできなくはないですけど、伸び続けているのでまた虫歯になりますよ。
まっすぐ生えてるし大分伸びているので、抜くなら楽に抜けますよ」
と説得されて、覚悟を決めたのでした。
1本ずつ別々の日に抜くとの事で、昨日は左のを抜きました。
歯医者さんに言われた通り、
びっくりするぐらい簡単に終わりました。

下の親知らずは完全に親不孝な歯でしたが
今日抜いた親知らずは大変親孝行な歯でした。
他の歯を邪魔する事もなく、ただまっすぐに伸び、
あっけなく抜かれてわたしから離れて行きました。

抜かれて銀のお皿みたいなのの上に転がってる親知らずを見ていたら
なんだか無性に悲しくなってしまいました。
何だろう、この喪失感。

連れて帰ってどこかに埋めてやりたいと思ったけど
「それください」と言ったら何この人と思われるし
なんか血まみれでちょっと怖かったのでやめておきました。


再来週あたりに残りの右の親知らずを抜きます。
もう一回この喪失感を味わうのかと思うと
アンニュイにならざるを得ません！